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実家はレンタル倉庫代わり?夫の行動に感じた違和感の正体

最近、酒井順子さんの「家族終了」を読みました。

そこで始めて知った言葉が「生育家族」と「創設家族」。

自分が生まれ育った家族のことを「生育家族」、結婚などすることによってつくった家族を「創設家族」というそうですが、生育家族のメンバーが自分以外全て、世を去ったのです。

——『家族終了』(集英社/酒井順子)

 

現在、私は夫と子供2人の4人暮らし。
これが私にとっての「創設家族」。
実家の両親は遠方で2人暮らし。
これが私にとっての「生育家族」となります。
これは夫も同じ状況です。

実家をレンタル倉庫代わりに使う夫に感じた違和感の正体

さて、数年前のモヤモヤを感じずにはいられない夫の行動をよく覚えています。
我が家に収納しきれない漫画本を、せっせと段ボール箱に詰めて(夫の)実家に送っているのです。
「そっち(実家)で保管しておいて。」ということらしい。
その漫画本は拒絶されることもなく、夫の実家に保管されています。

この行為に大いに違和感を感じた私。
しかし当時は、その違和感の正体がわかりませんでした。

夫の実家は田舎なので、我々が住んでいる都内の賃貸マンションに比べれば、圧倒的な収納力を誇ります。
でも、問題はそこじゃない。
収納力の差ではない。

私の実家も同じく田舎にあるので、収納スペースはたっぷり。
だからと言って、我が家に収納し切れないものを実家に送ろうという発想には全くなりません。

実家に帰省しても、もはや自分の家という感覚はないからです。
父と母の家、という感覚。
「ただいまー」よりは「お邪魔しまーす」の方がしっくりきます。

実家はすでに人様の家、という感覚なので、自分の家から溢れたものを送りつけるという発想にならないのは、当然といえば当然。
人様の家に、自分の荷物を保管しようと考える人はまずいないでしょう。

一方、夫は。
漫画本を無邪気に実家に送れるのだから、実家は自分の家、という感覚なのでしょう。

お互い同じように実家を出てすでに20年以上経っているわけですが、実家を「自分の家」と捉えるか「人様の家」と捉えるかの違い。
この認識の差が、実家に荷物を保管するという夫の行為に、私が違和感を抱いた正体でした。

「生育家族」「創設家族」への精神的な注力の仕方

ここで冒頭の「生育家族」と「創設家族」に話が戻るわけなのです。

現在、私のエネルギーのほとんどを注いでいるのは「創設家族」。
子育て真っ最中で、実家の両親はまだ介護は不要なので、必然的にそうなりましょう。
まさに心身ともに「創設家族」に注力しています。

夫が実家を「自分の家」と捉えているとすると、「生育家族」への精神的な比重のかけ方が、私よりは遥かに大きいのではないか、というのが私の推論です。
我が家と夫の実家は距離は離れているので、「生育家族」への物理的な注力は微々たるモノですが、精神的な思い入れが大きい、とでも言いましょうか。

そう考えると、思い当たる節が。
夫の実家で夫は完全に「息子」に戻っています。
父と母に全てのお世話をしてもらい、まるで子供のような態度で実家滞在を満喫。
義父母(私から見て)がまだまだ元気だから成せる技ですが、夫は高校生あたりで時が止まっているのかと錯覚します。

これが男女差によるものなのか、地域性によるものなのか、単なる個人差なのかは分かりません。
が、実家で完全なる「息子」に戻る行為も、実家に漫画本を送りつける行為も、私は決してよく思っていないことだけは、正直に告白します。

 

そういえば、同年代の友人(女性)が、夫の実家との付き合いに関して喧嘩をした時、夫から
「○○(妻の名前)は、うちの家族じゃない。」と言われ、離婚をも考えた、と話してくれました。
よそ様の家庭ですから、詳しい事情は分かりません。
売り言葉に買い言葉で思ってもいないのに言ってしまった、ということもあるかもしれません。
でも、ここにも私は友人の夫の「生育家族」への強めの執着を感じてしまったのです。

n=2なので断言する気はありませんが、「生育家族」への注力は、一般的に男性の方が大きいのでは、と感じています。
今でも、結婚すると妻は夫の家に入る、と捉える方も少なくないので、世間一般のそのような考え方も影響しているのかな、と想像します。

最後に

この「生育家族」「創設家族」への精神的な注力のバランスは、物理的な距離の違い、男女差、個人差、年齢、など様々な要因に左右されているのでしょう。

私にも息子がいるので想像してみました。

「息子が将来家庭を持って、私達夫婦とは別々に住んでいる。
ある日息子が大量の漫画が詰まった段ボールを突然送りつけてくる。」

というシチュエーション。

私は確実に、送り返すか処分するか、だと思います。
うちはレンタル倉庫じゃない!!と息子に言ってしまうかも…。

そう考えると、義父母の懐は私なんかよりも随分と深いのだな、と思わずにはいられません。
私も歳を重ねれば、息子の漫画本を快く受け入れるようになるのかは何とも分かりません( ´∀`)

ではでは、また。